2013年2月6日水曜日

よろず建築見て歩き part1

いろいろな建物を見た感想を、架空のキャラ[所長とコズミちゃん]の対話形式でレポートします。

記念すべき第1回は・・・「武蔵野プレイス」(武蔵境駅前)です。

所長[以下:所] 「数年前に設計コンペで選ばれた、女性建築家・川原田さんの設計によるもので、実はコンペ時の案とは似ても似つかぬものができたんじゃ。(興味のある方はネットで経緯を検索してみて下さい。)」

コズミ[以下:コ] 「どう違うんですか?」

所: 「コンペ案は波打つガラスの外壁で、ほとんどの施設は地下に埋められているものだったんじゃが、行政側との話合いその他で案が2転3転して、ようやく今の形で実現されたようなんじゃ。」

コ: 「よく建築家がはずされなかったですね・・・。」

所: 「コンペ案のままで建ったら、メンテナンス的にも問題がありそうだったので、ある意味デザイン感を残しつつ無難なところで着地したんじゃろな。コンペ案のまま建ってたら、妹島さんのパクリみたいになってたかもしれんし・・・。」

コ: 「・・・・。それでは外観から見ていきましょう。なんか真っ白で楕円の穴がポコポコあいてて、実物大の模型が建ってるみたいですね。」

所: 「そうじゃな。まわりの建物と一緒に写真に写っていなければ、スケール感ナシじゃのぉ~。じーっと見てると、トムとジェリーにでてくるチーズのかたまりのようじゃ。」

コ: 「・・・・。エントランス前に丸い広場があるのですが、折角の広場とのつながりが薄い感じがします。」

所: 「全体の開口部が角のとれた丸っこい開口部で統一されてるんじゃが、それにこだわりすぎて、外へ向けての開放感が薄れてしまってるんじゃないかのぉ。」

コ: 「内部はどうでしょうか。」
   「表現しづらいですが、四角いカマクラが連続してるような空間構成で、直線要素が消されている、[やわらかい」空間に包まれる感じですね。」
所: 「用途は図書館コンプレックスみたいじゃの。市民が立ち寄りやすい駅前図書館としては喜ばれそうな空間やの。」

コ: 「1階の通路に囲まれた真ん中あたりにカフェがあるのはどうなんですかね。」

所: 「外を眺められないカフェなんて・・・。本を持ってなかったらどこを見ていればいいんじゃ?」

コ: 「ダウンライト状のピンスポット的な照明が設定されてますが。照明器具を出さないようにした結果でしょうか?」

所: 「天井が変形ドームみたいな形状の連続なので、この形状の連続を強調させる間接照明にしたほうが、もっと”カマクラ状の天井の連続”を演出できたんじゃないかのぉ。」


総括 :「全体的に外観・内観ともに丸みを帯びた[やわらかいデザイン]が貫かれていて好感が持てますが、折角の駅前という絶好な立地を生かすように期待されている、建築のダイナミズムが[おしゃれな雑貨」テイストの演出に寄ってしまっているような気がするのがちょっと残念が感じがしました。」