2017年7月5日水曜日

旅をしてるように住む。



学生の時、旅をしてるのが一番好きでした。大学の卒業時に行ったインド旅行で起こったことは私の人生のベースになってます。なかでも砂漠の中の一本道をおんぼろバスに6時間揺られて到着した西の果ての城郭都市「ジャイサルメール」は今も時々思い出す印象深い町です。砂漠の空気感がとても心地よく、町の中の路地がいい雰囲気なのです。

今、家族もいるので、気ままな放浪旅はできない状態ではありますが、J-waveのラジオ番組、日曜日夜8時の野村訓市さんの「Travelling without Moving」の大ファンで、彼のシブい語り口でみんなの旅の話を紹介するトリップ感がささやかな楽しみです。

この「その場から動かないけれど意識は旅をしている。」という感覚が、住宅を設計するのに反映できないものかな~、といつも思います。
一つの敷地に一つの住宅の中で生活を送るのですが、四季によって変化する光の方向や、風のにおいによって、日々何かきのうとは違う感覚をとらえることができる空間、ときに窓から見える庭の景色が車窓のようにも見えるような空間、住んでいる家族も子供は日々大きくなりますし、自分も日々歳を重ねているという事実…、その日その日に生きている空気感を実感して暮らせる空間を作っていきたいな、と改めて思います。

いずれ「動かない旅」をメインテーマに据えた住宅の構想にチャレンジしたいなーと思います。興味がある家を作りたい方はご一報くださいね……。